★TATOO YOU!/本体:11人の男達(氏名不詳)★
<互いの背中の「模様」を通じて空間移動できる能力>
スタンド・ヴィジョンは後頭部の「顔」。もともと顔に見えるような形に髪をカットしているのだが、能力使用時にはその部分がまるで本物の顔のように浮き出てくる。そして、11人が共通して身に付けている「模様」は、全て空間を超えて繋がり、それぞれの「模様」を出入口にして自由に移動できるのだ。その様子は、あたかも肉体が融合・分裂していくかのよう。「模様」の中へと入る事が可能なのは、「顔」を持つ11人の男達のみ。「模様」が門(ゲート)で、「顔」は鍵(キー)と考えると分かりやすい。(「顔」自体も「ゲート」化するみたいだけど。)
この「模様」の内部は、ある程度広い共通の空間になっているようで、10人まるごと潜む事も出来た。その中から引きずるように相手の体を動かす事も可能だし、「模様」内にいる間は一切のダメージも受けない。だが、わざわざ足音を1つにしてまで11人全員でやって来た事から、持続力はそれほど高くはなく、あまり長時間は「模様」内に潜めないものと思われる。能力射程もあまり広くはないのかもしれない。
「ゲート」として認識されるモノは、11人が共有している「模様」ならば何でも良い。ただ、服などの場合だと脱いだり燃えたりしては使用できなくなる危険もあるので、彼らは同じ柄のタトゥーを入れているのではないかと想像。それなら、どんな状況でも発動できる。
11人チームで1つの能力を使うという、珍しいスタンド。「ジョジョ」3〜6部では存在しなかったタイプだが、その理由はスタンド発現のキッカケにあると思われる。1人1人目醒めさせていく『矢』(アイテム)とは違い、「悪魔の手のひら」(場所)は同時に複数人が能力を発現し得る。そのため、非常に近しい間柄の者達や、同じ目的を強く持つ者達ならば、共通の能力を宿すケースもあるのだ。ブンブーン一家の能力と同タイプであろう。血縁的にか精神的にかは不明だが、この11人も固い絆で結ばれていたはず。自分の背中を預けられる信頼が、この能力を生んだのかもしれない。
なお、11人の中にはリーダーが存在する。殺された者の「模様」にも移動できた(=能力が解除・消滅していない)事から考えて、気絶・死亡した者の能力をも持続させる権限があるのだろう。リーダーが死んだり解除したりすると、殺された者の「ゲート」は永遠に閉じてしまうと推測される。
★チューブラー・ベルズ/本体:マイク・O★
<「金属」を風船化する能力>
スタンド・ヴィジョンは無し。「金属」に本体:マイク・Oの口から、空気と一緒にスタンドパワーを送り込むと、その「金属」は風船のように膨らんでいく。風船は一度に何個でも作れる。その風船を細工し、バルーン・アートを作り出す事によって、その形に見合った性質を付加させる事が出来る。風船を犬の形にすれば、対象の「匂い」を記憶して追跡・攻撃する。鳥の形にすれば、空を飛んで対象に近付いて行く。
風船はどんなに引っ張ろうが叩こうが、ゴムのように伸びるだけで割れない。そのため、狭いスキマにも潜める。追跡や攻撃を完了した時、自動的に破裂して元の「金属」に戻る。だが、スタンド攻撃を受けると、簡単に破裂するようだ。また、マイク・Oが能力を解除しても、割れて元の形に戻る。マイク・Oは感覚的に風船の位置や状況を知る事も出来るので、離れた場所で破裂してもすぐ分かる。
★20th センチュリー・ボーイ/本体:マジェント・マジェント★
<本体を完璧にガードする能力>
ウサギか猫に似たヴィジョンを持った、鎧のように身に纏うタイプのスタンド。どんなに強力な攻撃であっても、武器・物質(鉄球や弾丸など)は止められるか弾き飛ばされ、衝撃・エネルギーは受け流されて周囲へと拡散してゆく。その伝導中のエネルギーに触れたモノはダメージを受けてしまう。絶対防御とでも言うべきか、ひたすら守りだけに特化した能力である。物理的な攻撃のみならず、どんなスタンドの能力であろうとガード出来る。それどころか、暑さ・寒さ、病気、老化などなど、ありとあらゆる現象からも本体:マジェント・マジェントを保護してくれるのだ。
能力を発動させる際は、身を守るような体勢を取る必要がある。発動中は、マジェントの心身のエネルギーが満たされ、快適な状態がずっとキープされる。それは永久保存と言っても過言ではなく、スタンドを意識的に解除しない限り、ほぼ自動的に発動し続ける。この状態では、睡眠も食事も排泄も呼吸さえも必要としないし、負傷の苦痛や出血なども無くなるのだろう。しかし、考える事は出来るが、体を動かす事がまったく出来なくなってしまう。正にマジェントの肉体だけ時間が停止したかのようになるのだ。つまり、ある種の不老不死になる代わりに、行動不能にもなるという事。
また、解除した途端に発動直前の心身状態に戻ってしまうため、防御中は完全に安全とは言え、根本的な解決にならない場合も多い。時間が経過しても何も変わらない、もしくは逆に悪化してしまうという状況もある。しかも、作中でのマジェントの言動から、防御中は視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚といった全ての感覚が遮断され、外界の様子を認識できなくなっている可能性すら否定できない。能力を発動または解除するタイミングを的確に見極めなくてはならない、かなり使いどころの難しい能力だ。
★シビル・ウォー/本体:アクセル・RO★
<過去に犯した「罪」を出現させる能力>
本体:アクセル・ROは南北戦争の時代、自分が見捨てたせいで多くの人々を死なせてしまった過去を持つ。その過去を悔い、自らの「罪」から逃れたいという願いがこの能力を生み出した。
射程内にいる者達の心の隙間に『シビル・ウォー』は忍び込む。その者がほんの微かにでも「罪」の意識を抱いている過去の記憶に反応し、その記憶にまつわるものの幻影を出現させる。本人ですら忘れかけているような些細なものさえも。アクセルは背負っている過去ゆえに、何かを捨てるという事を最も罪深い行為と考えており、その心理を反映して、この能力も「捨て去ってしまったもの」が優先的に現れるようだ。そして、相手の罪悪感を刺激し、触れられたくないトラウマをえぐり出し、心を粉々に砕いていく。
「過去の幻影」に触れてしまうと、体内へと侵入して心の奥底に潜り込み、それに関わる過去が喚起させられる。そうして「罪」の意識が刺激されたら、「過去の幻影」は破裂し、その者の肉体をグルグルと包み込んでいく。それは「心の膜」とも言うべきもので、肉体と精神を融合させるような効果がある。心が過去に縛られたら、体の身動きも取れなくなる。罪悪感・羞恥心・後悔・絶望などで心が折れると、実際に体も折れ、「罪」の重さで潰れていく。最終的には精神が完全に破壊されて廃人となり、肉体的にも死を迎えるのかもしれない。心理状態がダイレクトに肉体にも影響を与えるのだ。それゆえに、「罪」の意識すら抱かないような相手には、この能力はまったく通じない。作中では大統領がそれに当たる。目的のためならば誰を犠牲にしても何も感じない上、「正当なる防衛」などと理屈を盾にとって自分を正当化さえしてしまっている。善の心のタガが外れている者や心に迷いがない者に対しては、無力に等しい能力と言えるだろう。
『シビル・ウォー』とは「内戦」を意味する言葉である。それは、アクセルの「罪」の源でもある「南北戦争」を指し、同時に「自分の心の中の戦い」をも表しているのだろう。その名が示す通り、自分自身の弱さや未熟な過去が次々に襲って来る心の世界を創り出すスタンド。迷いに囚われる者は破れ、迷いを捨てた者だけが勝ち残るフィールドなのだ。
『シビル・ウォー』は人型のスタンド・ヴィジョンを持ち、それはプラモデルを分解するかのようにバラバラになれる。バラバラにした一部分と同化させる事によって、「過去の幻影」を自在に操作したり、感覚を共有したりも出来る。作中では白ネズミの幻覚と同化し、俊敏な動作でジョニィを的確に追い詰め、その視覚からジョニィの様子を観察もしていた。
「過去の幻影」は水が弱点で、清潔な水を掛けられるとドロドロに溶けて消滅してしまう。あるいは、攻撃によるダメージで消滅する事もある。
このスタンドの能力射程は、能力を発動させた建物の内部に限定される。町のゴミ捨て場で攻撃を仕掛けて来た事から、建物内でなくては発動できないか、もしくは、屋外で発動してもパワーが激減するような能力なのだろう。古い建物やゴミが多い場所(「過去」や「捨てられた物」が多い場所)ほどパワーを発揮する性質もありそうだ。「過去の幻影」は建物内でしか出現しないが、出現した後は僅かな距離ならば屋外にも出られる。
この『シビル・ウォー』が真価を発揮し、能力の完成を迎える時……、それは本体:アクセルが殺された時。アクセルを殺すという事は即ち、アクセルを捨てて前へ進むという事。一度死んだアクセルは、自分を殺した相手の「過去の幻影」として復活するのだ。そして、アクセルを捨てるという事は、彼が歩んで来た全ての過去をも捨て去るという事でもある。アクセルを殺した者には、彼が今までの人生で犯した「罪」までもが襲い掛かって来るのだ。自身の復活と「罪」の浄化、これこそが『シビル・ウォー』の本当の目的なのである。死んでも発動する、むしろ死ぬ事を前提とした、珍しいタイプのスタンド。
相手に自分の「罪」をおっかぶせ、清められて蘇った時点で、『シビル・ウォー』の能力には多少の変化が見られる。能力完成以降は、「過去の幻影」である亡霊達に触れても「心の膜」のラッピング攻撃は発動せず、亡霊達が直に攻撃を仕掛けて来ていた。アクセルの罪悪感があまりに強かったために、実体に近い存在になっていたとも考えられる。もしくは、他人におっかぶせた「罪」の場合、相手の罪悪感を刺激しようがないから、直接的な攻撃をするように創られているのかもしれない。
復活したアクセルは、自分を殺した者の「罪」の中に存在している。その者が「罪」を背負っている限り、その者がアクセルを再び殺す事は決して出来ない。それ以外の人間ならアクセルを殺害できるが、今度はその人間に「罪」が移動するだけで、すぐにアクセルは復活してしまうだろう。「罪」に護られた存在なのだ。ただし逆に言えば、アクセルが誰かを殺してしまうと、死んだ相手も復活してくるし、全ての「罪」は自分に移る事になる。また、射程外からの攻撃では普通に殺されてしまうので要注意。
アクセル自身と彼が自らの手で殺害した相手だけは、どうやら実体を持って復活できるらしい。あるいは、「罪」を背負っていない清い者のみが受肉されるのかもしれないし、能力発動時に生きていた者なら肉体を持って復活できるのかもしれない。いずれにせよ、実体を持った「復活者」は、能力が解除されても消滅する事はない。